2021.04.01 世界初のバリレス面取りカッターの開発背景

代表の住吉慶彦です。

4月下旬に発売開始する新商品「XEBECバリレス面取りカッター」について、
開発の背景をご紹介いたします。

これまで、当社は、独自の観点と技術で、
バリ取りの常識を変える商品を世に出して参りました。
代表的なものが下記2商品です。

XEBECブラシ
独自のセラミックファイバーを使い、硬くて変形しない高研削力ブラシを開発。
難削材も含めた様々な素材に対して、二次バリを発生させずにバリ取り自動化を実現しました。
研削力が弱い。変形してしまう。溶着が発生する。バリが残る。等の理由で、
再バリ取りが発生していた従来のブラシによるバリ取りの常識を変えました。

XEBEC裏バりカッター&パス
独自形状のカッターと専用の加工プログラムを提供することで、
見えにくい、穴の中のバリ取りを、均一な仕上がりで自動化しました。
複雑形状のため、手作業でないと取れないという常識を変えました。
また、加工プログラムを提供することにより、
自動化するための準備期間・段取り時間を大幅に削減しました。

そして、当社ツールは、
バリ取りを自動化したいというユーザーの皆さまの熱意と創意工夫に支えられて、
これまで多くの生産現場へ導入して頂きました。
従来のやり方で問題が出ていない工程であったとしても、
より品質を安定化するために、職場環境を改善するために、
将来の人手不足に対応するために、トータルコストを削減のために、
“少しでも工程をより良くしたい!”
という担当者の皆さまの改善意欲にはいつも頭が下がります。

しかし、このような熱意をもってしても、越えにくい自動化への障害がありました。
それが、図面指示です。
これまでの当社ツールは、いずれも、C面、R面、ピン角のような、
明確な指示通りのエッジ形状を形成できず、
図面指示にダレの許容範囲を指定して頂く必要がありました。
つまり、自動化するために、当社のツールを採用しようとすると、
取引先と、あるいは他部門と、
図面指示を変更するという難しい交渉をしなければならないのです。
そうすると、交渉相手との関係性などで、図面の承認をとりづらく、
自動化を進められなかったり、実現に時間がかかることが多々ありました。

図面指示を変更せずに、導入できるツールがあれば、
もっと楽に、早くバリ取りの自動化をできるのではないかと考えたのが、
このバリレス面取りカッター開発のきっかけです。
また当社のXEBECブラシを、面取りの後に使われるユーザー様もいらっしゃいましたので、
面取りの後に更にバリ取りはもったいないなと思ったことも開発を後押ししました。

様々なツールを試作しては、実験し、試行錯誤すること約3年。
当社のこれまでの経験とノウハウを基に、バリを抑制できる効果を持つ、
全く新しい刃形状のツールを開発することができ、特許も取得しました。
「V字型の切れ刃と言えば、ジーベックのバリレス面取りカッターだよね」
と言って頂けるくらい、愛される商品になるといいなと思っています。

当社は、バリが発生した後に、それをどう除去するか
をテーマに商品開発をしています。
一方、お客様にとっての理想は、バリが出ないことです。
しかし、現実の生産現場には、
時間やコスト、素材、設備、工具の制約があるために、
どうしてもバリが出てしまいます。

この理想と現実のギャップを埋めるためには、
いかに時間をかけず、手間を増やさず、バリを除去するか。
という、現場を想像する力が必要になって参ります。

そのために、
我々は、生産現場に関わる皆さまを理解し、
その改善意欲、熱意に応えられる会社でありたいと
考えています。

これからも、効率よくバリを取るだけでなく、
バリ取り前後の工程や段取りにも
極力時間や負担をかけないことを念頭に、
工具やサービスの開発を行って参りますので、
今後ともご指導ご鞭撻頂ければ幸甚です。

 

XEBECバリレス面取りカッター

製品詳細
https://www.xebec-tech.com/products/xc/ 
使い方
https://www.xebec-tech.com/howtouse/xc/
よくある質問
https://www.xebec-tech.com/faq/xc
ニュースリリース
https://www.xebec-tech.com/news/210401/

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