株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、砥粒ではなく独自のセラミックファイバーを研磨材に使用したバリ取り・研磨用のブラシ「XEBECブラシ」を提供しているメーカーです。
近年の製造業では、深刻な人材不足が問題となっています。人手不足に伴い、バリ取りの実施方法も改善が求められている状況です。
ここでは、製造業における人手不足の現状や、人材不足時代のバリ取りについて紹介します。
製造業の就業者数は、年々減少しています。
ここ10年で100万人以上の規模で就業者数は減少し、全産業に占める製造業の就業者の割合も減少傾向です。
画像引用:経済産業省「就業動向と人材確保・育成」
また、経済産業省が2017年に行った調査では、製造業を行う企業の94%以上が、人材確保において何かしらの課題抱えていることが分かりました(※)。
近年は自動車から家電製品まであらゆる物の機能・性能が進化し、日本のものづくり産業は成長の一途を辿っているようにも思えますが、実はその裏では深刻な人手不足が顕在化しているのです。
※参考:経済産業省「我が国製造業の足下の状況」
製造業が人手不足に陥っている原因として、次のようなことが考えられます。
製造業に限らず、国内全体で少子高齢化に伴う労働人口の減少が起こっています。その中でも製造業は、土地単価が安い地方に拠点を設けるケースが多いことから、より人材を確保しにくい状況にあるのです。
また、製造業の現場作業は実務を通じた経験が重要ですが、若い世代の労働人口が減少することで、技術を継承できないという問題もあります。技術が継承される前にベテラン世代が退職してしまえばますます後継者育成が難しくなり、負のスパイラルとなってしまうでしょう。
製造業に対し「きつい・汚い・危険」というイメージを持っている人は一定数います。
とくに「工場で働く」ということが、「きつい・汚い・危険」のイメージにつながりやすいようです。
もちろん近年は職場環境の改善に成功している企業も多数ありますが、古くから定着しているこういった負のイメージが新規の就業者を減らしている可能性は大いにあるでしょう。
現代で行われているバリ取り作業とその重要性、問題点について見ていきましょう。
バリ取りとは、金属や樹脂などを加工した際に発生する意図しない突起を除去する作業のことです。具体的には、以下のようなバリ取り方法があります。
バリ取りの基礎については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
バリは非常に鋭利なため、作業者が意図せず触れると怪我につながる可能性があります。最悪は労災など、重大な問題に至るかもしれません。
また、バリが残っていると隣接部品と干渉する、周囲の部品を傷つけるなど、機能面や品質面にも影響を及ぼします。
バリは設計段階で意図しない突起であるため、しっかりと除去する必要があるのです。
従来までのバリ取りには、さまざまな問題点があります。
以下のような問題を解決するために、バリ取りのやり方自体を見直すことが求められています。
従来までのバリ取りは手動で行うのが主流であり、どうしても人手がいる作業でした。
人材不足となれば、当然バリ取りに割けるリソースも限られてきます。
その結果、製品完成までのリードタイムも長くなってしまう恐れがあります。
バリを放置した結果、怪我につながる可能性があるだけでなく、バリ取り作業自体にも一定の危険が伴います。
鋭利な突起を手作業で取ろうとする過程で、手を怪我してしまう恐れがあるのです
バリ取りは技術を要する作業であり、一定の熟練度のある作業者が行わないと、どうしても品質にばらつきが出てしまうのも課題です。
バリ取りは技術を要する作業である一方、近年は少子高齢化に伴い、技術を継承する若手人材も限られています。
人手が不足すれば、製造工程においてバリ取り作業が大きなボトルネックになってしまう恐れもあるでしょう。
先述の通り、人手不足時代においてはバリ取りのやり方自体を見直すことが求められています。
人手不足時代におけるバリ取りの未来について、解説していきます。
人手不足への対策として、バリ取りの自動化への期待が高まっています。
これまで人が行っていた作業を自動化することで、加工時間や人件費も削減できます。
バリ取りに限らず、昨今はさまざまな製造工程において自動化が検討される時代です。
製造業全体で製造の技術は向上しているため、バリ取りの自動化は決して不可能なことではありません。
実際、バリ取りの自動化に取り組む企業は増えつつあります。
具体的なバリ取りの自動化方法としては、次のようなものが挙げられます。
工作機にバリ取り用のカッターやブラシを取り付けることで、バリ取りの自動化を図れます。
既存の設備を流用して自動化できるのもメリットです。
工作機を使ったバリ取り自動化の工程については、以下の記事も参考にしてください。
専用機を用い、バリ取りの自動化を図ることもできます。
具体的には、以下のような手法があります。
別途設備を導入する必要がありますが、量産や品質向上など目的に応じてさまざまな自動化手法を検討できます。
ロボットアームに研磨工具や回転ブラシを取り付け、自動化する手法もあります。
近年はロボットアームの小型化が進んでおり、工作機や専用機よりも小規模な設備で実施できるのもメリットです。
導入事例はまだ限られているものの、人材不足を背景に今後の普及が期待される手法です。
製造業は深刻な人手不足に陥っており、業界全体で対応を迫られています。
今後は採用の見直しや作業の効率化によって、人手不足を補っていく必要があるでしょう。
バリ取りに関しても、手動での実施には限界があるため、なるべく人が介在しない方法を模索していく必要があります。
バリ取りの自動化を検討するのであれば、ぜひ弊社までご相談ください。