2020.11.24 「やりたいことが見つからない」という悩みへの回答

代表の住吉慶彦です。

「やりたいことが見つからないのですが、いいのでしょうか?」
ご自分のキャリア開発に関して、よく聞く、悩みの一つです。

当社の場合、メンバーは、
今の事業にやりがいと情熱を持って、
取り組んでくれています(そうだと勝手に思っています)。

なぜなら、
当社の事業は、
バリ取りや研磨等、品質を左右する大事な仕上げ工程を
自動化したり、より楽にすることによって、
従事する人たちの、やりがいや生きがいを高められる事業である。
ということを、メンバーが、
仕事を通じて実感できているからです。

では、みんな、最初から、この事業を是非やりたい!
と思って、当社に入社してくれたのでしょうか?

答えは、NOです。

一部、金属加工業界内から転職して来てくれたメンバーは、
当事者としてのご自分の実体験から、
この事業の意義に共感し、是非やりたい!と思い、
入社してくれました。

しかし、残りの90%以上のメンバーは、私も含め、
やってみたら、面白かった。
意味のある事業だと思ったというのが本当です。

では、私の場合はどうだったかというと。

ジーベックテクノロジーは、もともとは、父が起業した会社でした。
父が他界して数年後、海外市場開拓の担当者として、入社しました。
入社した当時は、ユニークな技術を持って、ニッチな事業をしている
ということぐらいしか知りませんでした。
また、金属加工業の経験もなかったので、
バリ取りや研磨、砥石、ブラシ、と言われても、
包丁を研ぐ砥石、歯ブラシくらいしかイメージ出来ませんでした。

なので、何が何でもこの事業をやりたい!
と思って入社したのではなく、
父が自分の生命をかけて育てようとした事業を、
発展させることに貢献したいという気持ちで、入りました。
つまり、“やりたいこと”ではなく、人、関係、縁ありきでした。

また、セラミック繊維を開発したT社のメンバーについても、
生前、父からよく話を聞いていました。
真面目で、人柄も良く、真摯に仕事に取り組む方々だ
という印象を入社前から持っていました。
入社してからも、そんな人たちが開発した技術を、世の中に出したい。
そういう思いで、海外を中心に市場開拓に取り組んで参りました。
つまり、入社後も、私は、
開発された技術そのものよりも、
技術を開発した“人たち”のために、
仕事をすることを自分のモチベーションとしていました。

しかし、その仕事を必死でやってゆく中で、
バリ取りや研磨など仕上げ工程の大切さや
その工程に従事している方々の大変さ等を実感し、
事業の意味や仕事の面白さを更に見出して行ったのです。

どんなことに生きがいを感じるか、どんな仕事を選ぶか、
は人によって違います。

自分の体験から、
商品やサービスの必要性、技術開発の必要性を強く感じ、
何をやりたいか、明確に持っている方もいらっしゃいます。
一方で、私のように、
技術で人の自立、やりがい、生きがいに通じる事業をやりたい
という漠然とした思いしか持っていない方もいるでしょう。

しかし、前者、
つまり、情熱を燃やせる対象が決まっている方、
やりたいことが具体的に決まっている方。
は稀だと思います。
ほとんどの人が、
これは面白そうだ、とか、やりがいを感じる、とか、
そういうちょっとした感覚、自分の気持ちを手掛かりに、
仕事を選び、仕事に取り組んでいるのだと思います。

そして、そこで経験することをベースに、
自分の志向について、発見をしてゆき、
徐々に、自分にとっての理想的な仕事・職場に近づいていくのだと思います。

なので、「やりたいことが見つからない」ことを嘆く必要はないのです。

対象は何でもよくて、
ご自分の住んでいる地域、故郷に貢献することに
やりがいを感じる方もいるでしょう。
何をやるかよりも、
誰とやるか、誰のためにやるか、
ということにやりがいを感じる方もいるでしょう。
お金を稼ぐことや自分の名を揚げることに価値を感じる方もいるでしょう。
何に価値を置くかは、時期によっても変わってくるかもしれません。

また、具体的にやりたいことが分かっているつもりでも、
それが変わっていく可能性もあります。

私の場合は、
盲導犬ロボットを開発したい
技術立脚型の事業創出をしたい
ベンチャーを立ち上げたい
ベンチャー支援をしたい
父が創った会社をなんとかしたい
バリ取り・研磨の自動化を実現したい

その時々で、対象は変わってきました。

そして、今自分について、理解していることは、
何をやるかよりも、
誰とやるか、誰のためにやるか、そして何のためにやるのか。
ということにやりがいや生きがいを感じるということ。
また、ある程度自分の希望にあった環境や対象であれば、
自分の捉え方、考え方次第で、
仕事に対する意味付けは、
いくらでも自分の理想に近づけさせることができる
ということです。

人生は、自分を知るための仮説検証の繰り返し。
ちょっと興味があることをやってみて、
どの面が好きで、どの面が嫌いなのか、
を知ることによって、
自分にとって、より良い選択をしてゆけばいいと思います。

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