2022.11.21 クロス穴面取りとは

株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、クロス穴裏面取り加工の自動化を実現する「XEBEC裏バリカッター」を発売している工具メーカーです。

ここでは「クロス穴面取りとは?」という基本的な内容から、方法や用いるツールなどを詳しく解説していきます。

1. クロス穴面取りとは?

クロス穴面取りとは、クロス穴(2つの穴が交差した穴)の裏側の角を落とすことです。

クロス穴を開ける際にはドリルを用いるのが一般的です。
ドリルが貫通すると、金属が変形してバリとなります。

クロス穴の裏面は直接手で触る機会が少なく、バリによる怪我のリスクは少ないとも言えるでしょう。
しかしバリが残った状態だと、他の部品を挿入する際や流体を流し込む際の障害にもなり得ます。

クロス穴の裏側のバリ取りも兼ね、クロス穴面取りは実施されます。

 

2. クロス穴面取りの方法と用いるツール

一般的な面取り方法として旋盤加工やフライス加工などを用いる方法がありますが、クロス穴の裏側に対してこれらを用いるのは困難です。
狭いスペースにおける面取りであるため、手作業も難しいでしょう。

そこで、クロス穴面取りには以下のようなツールの使用が推奨されます。

1.超硬&ばね鋼タイプのバリ取りツール
2.バネの力などで刃を出し入れするツール
3.球形カッター

それぞれ詳しく解説していきます。

 

①超硬&ばね鋼タイプのバリ取りツール

超硬&ばね鋼タイプのバリ取りツールは、クロス穴のような狭いスペースの面取り・バリ取りを行うためのツールです。
超硬のカッターがバネ鋼で支持される構造となっています。

使用方法としては、回転させた状態で穴の淵に押し当てて面取り・バリ取りを行います。
バネの弾性があるため、ビビリが生じないのがメリットです。

ただし、あくまでバリ取りの側面が強く、面取りの加工幅は厳密に調整できません。
また、制御するには事前にプログラムを用意しておく必要があります。

 

②バネの力などで刃を出し入れするツール

バネの力などで刃を出し入れするツールは、回転させながらクロス穴に挿入することで面取りができます。

仕組みとしては、以下の通りです。

回転する刃を押し当て、表面を面取りする
 ↓
ツールを貫通穴に押し込むと、刃が引っ込む
 ↓
ツールが貫通穴を通り抜けると刃が再び展開され、裏面を面取りする

超硬&ばね鋼タイプのバリ取りツールとは異なり、プログラムを準備せずとも使える点がメリットです。

ただしこのタイプのツールは、平面穴の裏面取りを想定して作られています。
クロス穴に対しても使えるものの、面取りの加工幅を厳密に調整するのは難しいでしょう。

 

③球形カッター

球形カッターとはその名の通り、刃が球形になっている面取りツールです。
回転させながら、貫通穴の淵に押し当てるようにして使います。

プログラムでの制御が前提となるものの、クロス穴のような複雑な形状に対しても均一な面取りができるのがメリットです。
1本の球形カッターでさまざまな穴径に対応できるので、工数の削減やサイクルタイムの短縮にもつながります。

株式会社ジーベックテクノロジーでは、球形カッターとオーダーメイドのパスプログラムがセットになった「XEBEC裏バリカッター&パス」を販売しています。プログラムの準備なしでクロス穴面取りが実施できるので、ぜひご相談ください。

 

3.まとめ

クロス穴面取りとは、クロス穴(2つの穴が交差した穴)の裏側の角を落とす作業のことです。
旋盤加工やフライス加工などで実施するのは難しく、専用ツールの使用が推奨されます。

クロス穴面取りについて悩むことがあれば、ぜひ弊社までご相談ください。

クロス穴面取り自動化のご相談はこちら
 

記事一覧