2021.05.11 XEBECツールでペンチを研磨したら酸化鉄を除去できた

グローバルセールス&マーケティング部の土居です。

当社は「バリ取りの常識を変える」というフレーズを大々的に打ち出していますが、元々は「研磨」の領域がメイン事業でした。
そんな当社の研磨加工を身近に感じて頂くべく、「ペンチ」を研磨していきたいと思います。 

ペンチを選んだ理由は、工場の作業現場でなじみが深いというのはもちろんですが、何と言っても「複雑な形状」で、磨きがいがあるため、今回登場してもらいました。

それでは、早速ペンチをピカピカにするため、磨いていきたいと思います。

 

機械編

まずは、ペンチ表面の磨きです。
現状はご覧の通り、錆や汚れが目立ちます。

 

 

ここでは「XEBECブラシ 表面用タイプ」を使用していきます。
ブラシでありながら研磨性能がある優れものです。
当社で一番研削力がある青色のブラシを機械に取り付け、準備完了です。

※MC装置へペンチを取り付ける危険な行為ですので、真似をしないでください。

まずは、片側半分を磨いてみると、

ご覧通り、きれいな面を作ることができました。
これはかなり期待ができそうです。

この勢いのまま、表裏をブラシで磨いていくと、

 

表裏ともにきれいな面が完成しました。

ここで特に注目して頂きたいのが裏側面の研磨です。
ペンチは黒染処理を行い、酸化鉄で表面を覆うことで防食をしていますが、ブラシを用いることで酸化鉄を除去できました。
板状のワークで酸化被膜を除去できませんか?というご相談をよく受けます。
当社のブラシをご使用頂ければ、酸化被膜除去は可能です!

 

手作業編

ペンチ表面を磨きましたが、これはまだ序章に過ぎません。これからが本番です。

モノを切るための根元部分(黄)、モノを掴むためのギザギザ部分(赤)や側縁部分(オレンジ)の複雑な形状の磨きを行います。

ここからは細かい作業が必要とされるため、手作業用のツールで対応していきたいと思います。

まずは、「XEBECストーン弾性シャフトタイプ(円柱ヘッド型)」を電動工具につけ、黄色とオレンジ部分を磨いていきます。
円柱形状になっており、R形状箇所にも対応可能です。

ツールは#220、#400、#800の3つの粗さがあり、順番に使用していきます。

この光の反射具合を見てください。
少々時間は掛かりましたが、満足の行く仕上がりに近づいてきました。

ちなみに弾性シャフトタイプは、シャフト部がばね鋼のため、加工時のビビりを抑制する構造となっています。
また、刃物と違って砥石が使われているため、ワークへの傷がつきません。
そのため、バリ取りや研磨の手作業において、作業者の心理的負担を軽減してくれます!

そして、モノを掴むためのギザギザ部分の研磨に取り掛かります。

ここでは、「XEBECマイスターフィニッシュ ペンシルタイプ」を使用し、細い溝を磨いていきます。
0.5㎜・0.9㎜角の2サイズを用意があり、今回は5㎜角を使用しました。
シャーペンの芯のように細いですが、力を相当入れても芯が折れることはありません。

磨いた後の写真がこちらです。
※今回の箇所は少々細かいので、バリの測定にも役立つデジタルマイクロスコープで撮影を行いました。

見てください!
ギザギザ部分を摩耗させることなく、溝の細かい箇所まできれいに磨かれています。

実は・・プラモデルの銀メッキはがしや表面研磨でペンシルタイプはホビー用品として使用されています。
当社唯一のto C(消費者)向けの製品です。玩具屋に立ち寄る機会があればぜひ注目してみてください。

今回は、XEBEC製品を用いて、ペンチの磨き加工を行ってみました。

バリ取りのイメージが強いXEBECですが、磨きの領域でも皆様のお力になれることは多くあると思っています。
研磨でお困りの際はいつでもご連絡ください。

研磨のご相談もお待ちしてます

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