2021.03.29 XEBECブラシ表面用で内径のバリ取りを行う裏技

グローバルセールス&マーケティング部の山口です。
今回はXEBECツールの応用的な使い方をご紹介していきたいと思います!

突然ですが、「内径のバリ取り」でお困りではありませんか?

当社には「XEBECブラシ 内径交差穴用」というバリ取り自動化ツールがあります。

▼XEBECブラシ 内径交差穴用 (詳細はこちら


1次加工穴からブラシを挿入することでバリを取るツールで

・1次加工穴から挿入するため複数の穴を1工程で対応できる
・異なる径も1本のブラシで対応できる
・3軸同時制御が必要ない

といった特長から交差穴のバリ取りに使用いただいています。
このツールはφ3.5~φ20の穴サイズに対応しています。

 

また、φ50以上の穴サイズであれば「XEBECブラシ ホイールタイプ」で同様に対応することが出来ます。

▼XEBECブラシ ホイールタイプ (詳細はこちら

ここまでをまとめると、

φ3.5~φ20の穴サイズであれば、「XEBECブラシ 内径交差穴用」が対応
φ50以上の穴サイズであれば、「XEBECブラシ ホイールタイプ」が対応

では、φ20~φ50の内径バリ取りを行いたい場合はどうすればいいのか?

そんなお声も多くいただきます。

このときに我々がご提案させていただくのが
「表面用ブラシを内径交差穴用ブラシの方法で使う」
という方法です。

※現在φ20~35の内径に対応できるXEBECブラシ内径・交差穴用の発売を検討しており、2021年年度中には販売開始する予定となっております。
XEBECブラシ表面用をφ20~35の内径に使用いただいている方は、寿命・コスト面を改善できる可能性があります。テストユーザー様を募集しておりますのでご希望の方はご連絡ください。

 

XEBECブラシ表面用を内径交差穴用ブラシの方法で使う?

XEBECブラシ 内径交差穴用は、ツールを回転させることで発生する遠心力によってブラシがラッパ状に広がります。
これにより、線材先端をバリ取り対象箇所にアプローチすることでバリを削り取ります。

 

一方で、XEBECブラシ 表面用は、遠心力によって広がろうとするブラシを専用スリーブで押さえつけています。


これによってブラシの広がりを押さえてバリ取り対象箇所に効率的にアプローチすることが出来ています。
通常、ブラシはスリーブから10mm~15㎜程度突き出して使用いただきます。

では、このXEBECブラシ 表面用の突出し量(専用スリーブから飛び出ているブラシの部分)を20mm、30mmと長くしていくとどうなるでしょう。

専用スリーブから飛び出ているブラシの部分が、長ければ長いほど遠心力によって大きく広がります。

大きく広がるということは、内径交差穴用ブラシと同じ使い方が出来るということです!

 

実際にやってみた

では今回も実際にやってみたいと思います!
今回ワークとして使用するのはこちら。

内径φ25 交差穴φ10のアルミワークです。

ちなみに内径のバリはこんな感じ

なんとも立派な裏バリが発生しています!

それでは、この頑固そうな裏バリを除去すべく、さっそく表面用ブラシを機械にセットします。

こちらが突出し量10㎜でφ15表面用ブラシの通常のセット方法です。

この状態から、ブラシを長く突き出してみます。

ということでこちらが限界までブラシを突き出した表面用ブラシです!
見慣れない光景ですね。
φ15ブラシの線材長は50mmなので突出し量50mmということになります。

これで回転させても問題ないでしょうか?
ということでまずは様子見、3000rpmで回転させてみます。

しっかりとブラシの先端がラッパ状に開いていますね。
これなら内径のバリ取りが出来そうです!

ワークをセットして回転させてみると、4000rpmでワークよりやや大きくブラシが開いているのが分かりました。

ということで今回は
回転数:4000rpm 送り速度:300mm/min

この条件でツールを2往復させて、バリの取れ具合を見てみようと思います!

レッツトライ!

加工は10秒弱で完了!

ブラシの破損などはなく、しっかりとバリにアプローチすることが出来ました。

さて、しっかりバリは取れたのでしょうか?

バリはしっかり取れていますね。
面に少しブラシ目が付いていますが、面粗度的には向上する傾向にありますのでご安心ください。

というわけで、今回はXEBECブラシ表面用の応用的な使用方法をご紹介させて頂きました。

ツールの形状やサイズのラインナップから、一見
「このワークのバリ取りに使うことは出来そうにない…」
と感じる形状に対しても、ツールの使い方さえ工夫すれば使っていただけることもあります。

他にもお客様の方で工夫をして頂いて、通常とは違った使い方をされている事例が多数ございます。

今後もこういった応用的な使い方をご紹介できればと思っているので、「通常とは違った使い方をしています!」という方は是非ご連絡ください!

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