2023.02.11 除去加工とは

株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、砥粒ではなく独自のセラミックファイバーを研磨材に使用したバリ取り・研磨用のブラシ「XEBECブラシ」を提供しているメーカーです。

ここでは「除去加工とは?」という基本的な内容から、その方法まで詳しく解説します。

 

1.除去加工とは?

除去加工とは、金属素材の不要部分を除去し、目的の形状や寸法へと調整する加工のことです。
機械加工には研削加工や旋削加工などさまざまな手法が存在しますが、素材の一部を除去する加工は全て除去加工に分類されます。

除去加工には工具や砥石に限らず、電気やレーザーなどのエネルギーを用いることもあります。
製造現場で広く用いられる除去加工は、ものづくりに欠かせない加工と言えるでしょう。

 

2.除去加工の方法

除去加工にはさまざまな方法があり、以下のように細かく分類されます。

大分類 中分類 小分類
除去加工 切削加工 フライス加工
旋削加工
穴あけ加工
研削加工 平面研削
円筒研削
内面研削
研磨加工 砥石研磨
研磨布紙加工
ラッピング研磨
テープ研磨
バフ研磨
バレル研磨
電解研磨
レーザー加工 放電加工
ウォータージェット加工
レーザー加工

 

①切削加工

切削加工とは、刃物を使って金属素材を削る加工のことです。
効率が良くかつ精度も高いため、さまざまな製品に対して実施されます。
一口に切削加工と言っても、複数の手法があります。切削加工の主な手法について見ていきましょう。

 

フライス加工

フライス加工は、固定した金属素材に対して高速回転させた刃物を押し当てて削る加工です。
刃物の形状を変えることで、平面・曲面・溝などさまざまな場所を加工できます。

 

旋削加工

旋削加工は、高速回転させた金属素材に対して固定した刃物を押し当てて削る加工です。
金属素材を回転させるという特性上、円筒形状の素材の外周や側面の加工に対してよく用いられます。

旋削加工については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも読んでみてください。

旋削加工(ターニング)とは

 

穴あけ加工

 

穴あけ加工とは、その名の通り金属素材に対して穴を開ける加工です。
固定した金属素材に対して、高速回転させたドリルを押し当てて加工を行います。

 

②研削加工

研削加工とは、高速回転させた砥石に対して金属素材を押し当てる加工のことです。
刃物を使わないため加工に時間はかかりますが、少しずつ削るため高い精度を目指せます。

研削加工は加工する面に応じて、以下のような種類があります。

 

平面研削

 

平面研削は、金属素材の平面部分に対して高速回転させた砥石を押し当てる加工です。
主に平面度や平行精度の向上のために行われます。

 

円筒研削

円筒研削は、高速回転する砥石に対して逆方向に回転させた円形素材を押し当てる加工です。
金属素材の外周を少しずつ削り、目的とする形状や寸法へと近づけます。

円筒研削については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも読んでみてください。

円筒研削とは

 

内面研削

内面研削は、円筒形素材の内面を加工する方法です。金属素材を回転させつつ、それに対して逆回転させた砥石を内面部分へと押し当てます。
ギア・ベアリング・シリンダーなど、内面の精度が求められる製品に対して用いられます。

 

③研磨加工

研磨加工とは、砥石などを用いて製品の表面部分を綺麗に仕上げる加工のことです。
表面の凹凸をなくしたり、バリを除去したりするのが目的です。
一口に研磨加工と言っても、複数の手法があります。研磨加工の主な手法について見ていきましょう。

 

砥石研磨

砥石研磨は、その名の通り砥石を使った研磨方法です。
高速回転する砥石と金属素材を接触させ、表面を加工します。

 

研磨布紙加工

(画像引用 株式会社コバックス様「鷲印研磨布」: https://www.kovax.com/products/subcategory01/item_92)

研磨布紙加工は、サンドペーパーを使った研磨方法です。
サンドペーパーの表面には砥粒が塗布されており、素材を擦ることで表面が磨かれます。

 

ラッピング研磨

(画像引用 フジセイコー株式会社様「ラップ機(両面機・片面機)について」: http://www.fj-seiko.co.jp/technology/seiatsu/lap.html)

ラッピング研磨は、ラップ盤といわれる平らな定盤に金属素材を固定し、定盤を回転させて表面を削る研磨方法です。
大規模な設備が必要となり、基本的にはサイズが大きな素材に対して適用します。

 

テープ研磨

(画像引用 三共理化学株式会社様「テープ研磨装置」: https://www.sankyo-blast.com/product/tape/)

テープ研磨は、テープ(フィルム)に砥粒を塗布し、回転する金属素材に押し当てる研磨方法です。
常に新しいテープを押し当てるため、精度が高いことが特徴です。

 

バフ研磨

バフ研磨は、「バフ」と呼ばれるホイール状の素材を高速回転させ、そこに金属素材を押し当てる研磨方法です。
加工後の表面が、鏡のようにピカピカになるのが特徴です。

バフ研磨については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも読んでみてください。

バフ研磨とは

 

バレル研磨

(画像引用 株式会社チップトン様「バレル研磨とは」: https://www.tipton.co.jp/barrel/barrel-guide/kind/)

バレル研磨は、タンク型の容器に金属素材・研磨剤(コンパウンド)・水・研磨石(メディア)を一緒に投入し、容器を回転・振動させる加工方法です。一度にたくさんの金属素材を加工できるため、大量生産に適しています。

 

電解研磨

電解研磨は、電流を使って金属素材の表面を滑らかにする加工方法です。
細かい凸凹や研磨しづらい狭い面にも適用できる点がメリットです。

ここで紹介した研磨加工については以下の記事でも詳しく解説しているので、こちらも読んでみてください。

研磨加工とは

④特殊加工

特殊加工とは、電気・水・レーザーなどのエネルギーを使って行う除去加工のことです。
他の除去加工では対応が難しい硬い金属素材に対しても適用できるのが特徴です。
特殊加工の一例として、以下のような手法があります。

 

放電加工

放電加工は、放電によって生じる熱で金属素材を溶かす加工です。
ワイヤー状の細い電極でノコギリのように切断する「ワイヤー放電加工」、目的の形へと電極を型取りそれを金属素材へと近づける「形彫放電加工」の2種類があります。

 

ウォータージェット加工

ウォータージェット加工では、加圧した水を勢いよく噴射し、その水流で金属素材を加工します。
電気やレーザーと違って熱が発生しないため、素材の変色などの影響が出ない点が特徴です。

 

レーザー加工

レーザー加工は、その名の通りレーザーのエネルギーを用いた加工方法です。
加工精度の高さが特徴ですが、レーザーの熱による素材の変色が起きやすい点に注意する必要があります。

 

3.まとめ

除去加工とは、金属素材の不要部分を除去し、目的の形状や寸法へと調整する加工のことです。
加工の目的に応じて、さまざまな手法に細かく分類されます。
ものづくりを行うにあたっては、求められる精度や加工シチュエーションに応じて適切な手法を選択する必要があります。

バリ取りに関して悩むことがあれば、ぜひ弊社までご相談ください。

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