株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、砥粒ではなく独自のセラミックファイバーを研磨材に使用したバリ取り・研磨用のブラシ「XEBECブラシ」を提供しているメーカーです。
ここでは「鍛造バリとは?」という基本的な内容から、その役割やデメリット、対策まで詳しく解説していきます。
鍛造バリとは、その名の通り鍛造の際に発生するバリのことです。
鍛造とは、金属素材に対して金型で叩く・押し潰すといった形で圧力を加え、目的となる形状へと変形させる加工のことを言います。
金型と金型の間には隙間があり、そこに余った金属素材が流れ込むことでバリが発生する仕組みです。
一般的に金属加工におけるバリは有害なものとして扱われますが、鍛造に限ってはバリにも役割があり、むしろ意図的に発生させています。
鍛造バリの具体的な役割は以下の通りです。
・①金型の隅々まで金属素材を流し込む
・②金型の劣化を防ぐ
それぞれ解説していきます。
金型と金型の隙間に流れ込む金属素材は薄いため、金型上で早く冷え固まります。
これがバリとなるわけですが、早く冷え固まった分隙間でブレーキのような役割を果たし、金型内に金属素材を充満させるのを助けます。
あえてバリを発生させることで、金型の隅々まで金属素材を流し込めるようになるのです。
金型と金型の間に発生したバリは、金型と金型が直接ぶつからないようクッションのような役割を果たします。
その結果、金型が割れたり傷ついたりするのを防ぎます。
鍛造バリには役割があるものの、以下のようなデメリット・トラブルにもつながります。
・①素材のロスが発生する
・②意図せぬ怪我につながる
それぞれ解説していきます。
鍛造バリが発生するということは、その分金属素材が無駄になっているということです。
高価な素材を使っていれば、バリによる素材ロスは決して無視できません。
コスト面を考えると、鍛造バリは必要最小限に抑えるのが望ましいです。
切削バリやせん断バリほどではありませんが、鍛造バリは鋭利です。
意図せず触れれば、作業者や消費者が怪我をしてしまう恐れがあります。
怪我防止の観点から、鍛造バリはしっかりと除去する必要があります。
極論、金型と金型の隙間をなくせば鍛造バリは発生しません。
しかし、鍛造バリには金型の隅々まで金属素材を流し込む、金型の劣化を防ぐなどの役割があるため、「なくす」ではなく「必要最小限に抑える」という考え方が重要です。
具体的には、以下のような方法で鍛造バリは減らせます。
など
鍛造バリの発生を必要最小限に抑えるためには、設計者のスキルや経験が問われます。
鍛造バリは、以下のような方法で除去します。
・①工具を使ったバリ取り
・②機械加工によるバリ取り
・③プレスによるバリ取り
それぞれ解説していきます。
研磨工具やブラシなどを用い、手作業で鍛造バリを除去します。
確実にバリを除去できるものの、大量生産や大きな製品においては非効率的です。
鍛造後に機械加工を行う場合は、同時にバリ取りを行うこともできます。
NC工作機などを用いれば、ある程度の自動化も可能です。
鍛造後の製品と同じ金型を作り、それをプレス機で押し当てるバリ取り方法もあります。
工数が少なく、最も簡単な鍛造バリの除去方法と言えるでしょう。
ただし金型作成にもコストがかかるため、大量生産を行うなどコスト回収が見込めるかどうかを検討する必要があります。
鍛造バリとは、鍛造の際に発生するバリのことです。切削バリやせん断バリなどと違い一概に有害なものとしては扱われず、金型の隅々まで金属素材を流し込む、金型の劣化を防ぐなどの役割があります。
とは言え、素材ロスや意図せぬ怪我につながる恐れもあるため、鍛造バリは必要最小限に抑えることが大切です。
鍛造バリについて悩むことがあれば、ぜひ弊社までご相談ください。
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