株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、砥粒ではなく独自のセラミックファイバーを研磨材に使用したバリ取り・研磨用のブラシ「XEBECブラシ」を提供しているメーカーです。
ここでは「鋳造バリとは?」という基本的な内容から、種類や対策まで詳しく解説していきます。
目次
・1.鋳造バリとは?
・2.鋳造バリが生じる原因
・3.鋳造バリを減らすための対策
・4.鋳造バリの除去方法
・5.まとめ
鋳造バリとは、鋳造の工程で生じるバリのことです。形状としては、薄いヒレのようになるのが特徴です。
バリに触れればケガをしてしまうだけでなく、製品の精度悪化にもつながるため、基本的にバリは除去する必要があります。
鋳造バリは、次のような原因で発生します。
①鋳型の割れ
②鋳型と鋳型の隙間
③溶湯時の温度差
それぞれ詳しく解説していきます。
鋳型に割れがあると、そこに金属が流れ込み、バリが発生します。
鋳型の割れは、主に次のような原因で生じます
目視では見落としてしまうような小さな割れでも、バリが発生する原因となります。
鋳型と鋳型の隙間に金属が流れ込めば、そこからバリが発生します。
鋳型と鋳型がぴったりと接していれば、金属が流れ込むことはありません。
しかし鋳造においては高温となった金属を鋳型へと流し込むため、鋳型に熱膨張が発生します。
熱膨張を考慮した鋳型を設計できていないと、バリが発生することになってしまいます。
溶湯時に金属が部分的に高温になると、そこから突起状にバリが発生することがあります。
これはガスの発生が関係しており、ガスによる窪みができた結果、窪み部分でバリが発生しています。
溶湯時の温度差でバリが発生している場合、溶湯の方法自体を見直さないと対策は難しいと言えるでしょう。
鋳造バリは、以下のような対策を実施することで減らせます。
①鋳型の割れをなくす・早期発見する
②熱膨張で隙間が生じないよう鋳型を設計する
③溶湯の方法を工夫する
それぞれ詳しく解説していきます。
鋳型の割れは、以下のような方法で減らせます。
また、割れが生じている鋳型を使い続けるとバリがある鋳物が量産されてしまうため、鋳型に割れがないかを日常的にチェックすることも大切です。
熱膨張を考慮した鋳型を設計すれば、鋳型と鋳型の隙間にバリが生じることはありません。
ただし、熱膨張を考慮した設計は決して簡単ではありません。
鋳型と鋳型の隙間を小さくしようとした結果、突っ張りが生じて他の部分に隙間が生じることも。
熱膨張を考慮した鋳型の設計には、設計者の経験やノウハウが求められます。
溶湯時の温度差でバリが生じないよう、溶湯の方法を工夫することも大切です。
具体的には、以下を見直してみると良いと言われています。
複数の要因で溶湯時の温度差が生じている場合もあるため、考えられる原因を一つずつ潰していくことが大切です。
鋳造バリは、以下のような方法で除去します。
①工具を使ったバリ取り
②機械加工によるバリ取り
③プレスによるバリ取り
それぞれ詳しく解説していきます。
研磨工具やブラシなどを用い、鋳造バリを除去します。
作業者の熟練度が求められますが、確実にバリを除去できる方法です。
ただし、手作業となるため大量生産には向きません。
鋳造後に機械加工を行う際に、同時にバリ取りを実施します。
鋳造後の鋳物がそのまま製品となることはほとんどなく、大抵の場合は機械加工の工程が加わります。
そのため、機械加工の工程でバリ取りを行う方法は無駄が少ないと言えるでしょう。
鋳造後の鋳物と同じ形のプレス金型を押し当て、バリを除去する方法もあります。
プレスするだけでバリが除去されるため、工数が少ない点がメリットです。
ただし、プレス金型の制作にはコストがかかります。
プレス金型は使い回せるものの、生産数が少ないと採算が取れない場合もあるでしょう。
基本的には大量生産の際に検討すべき方法です。
鋳造バリとは、鋳造の工程で生じるバリのことです。
鋳型の割れや溶湯時の温度差などによって生じます。
対策は可能であるものの、鋳造バリをゼロにするのは難しいでしょう。
鋳造バリが生じることを前提に、適切なバリ取り方法を検討することも大切です。
鋳造バリについて悩むことがあれば、ぜひ弊社までご相談ください。
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