グローバルセールス＆マーケティング部の土居です。
今回、ジーベックテクノロジーの祖業である「XEBEC マイスターフィニッシュ」の応用的な使い方をご紹介したいと思います。
XEBECマイスターフィニッシュ
最近当社について知った方は、ジーベックテクノロジー＝”ブラシやカッターを用いたバリ取りの自動化を支援する会社”という印象を持たれているかもしれません。
しかし、実は、当社は元々「金型研磨用のセラミック砥石」から事業をスタートしています。
そんな祖業であるセラミック砥石ですが、普段から使用頂いているお客様に「こんな使い方できるのか！」と言っていただける使い方がありますので、今回はその使い方をご紹介したいと思います。
今回お話しをする応用の使い方に繋がるため、まずはXEBECマイスターフィニッシュの特長をお話しします。
（すでに知っている方は、ここは読み飛ばして大丈夫です。）
この製品は「折れない、割れない、欠けない」という特長があります。
「この特長がなぜ生まれるのか？」
ここで簡単に原理に触れたいと思います。
下記図はXEBECマイスターフィニッシュのスティックタイプと丸棒タイプそれぞれの繊維の編み込み方を示しています。
一般的に砥石（油砥石など）は砥粒をまばらに散りばめている構造となっています。
一方、XEBECマイスターフィニッシュのスティックタイプは繊維を2方向から交差させた構造、丸棒タイプは繊維を組みひも状に編み込んだ構造（共に一部異なる繊維構造のサイズ有）となっており、折れ・割れ・かけが生じにくくなっています。
また、今回最も伝えたい特長として、通常の油砥石では難しい「成形」ができることがあります。
一般的に砥石（油砥石など）は板状、もしくは直方体で一般的には広い部分の磨きに使用されます。
細かな部分を磨くには砥石を薄く、細くする必要がありますが強度がなくすぐに折れてしまうため、成形ができるといってもピンとこない方は多いかと思います。
また、成形できるからといって、それがどう生かせるのかもイメージしにくいかと思います。
それでは、上記疑問に答えるべく、具体例を用いて説明をしていきます。
今回の説明をわかりやすくするため、一般的に良く見られるシャフト部品を用いて、説明します。
シャフトでよくご連絡いただくバリ取りの相談が下記2つです。
①ねじきり部にキー溝加工した際に発生するバリ取り（青線）
②スプライン状の加工をした際に出る抜け側のバリ取り（赤線）
共にバリ取りの自動化は難しく、どうしても手作業が発生してしまう領域となります。
ここで超硬のロータリーバー等を使用して、バリ除去を試みるものの、刃物を使用することによりワークに傷がついてしまい困っているというお客様は多いかと思います。
こんな時にXEBECマイスターフィニッシュの「成形」が役に立ちます。
例えば、スティックタイプ砥石をネジ部に沿うように成形ができます。
左が元の形状で、右が実際にネジ部へ何度か使用し、摩耗させた後の形状です。
一般的な砥石（油砥石など）では、この時点で欠けが発生しますが、マイスターフィニッシュは欠けずに形を変えることができます。
実際にキー溝部に使用するとこのような形になります。
キー溝加工後、ネジ部側に返ってしまったバリを上手く掻きだすことができます。
続いて、丸棒タイプ砥石を鉛筆形状に成形します。
丸棒タイプはスティックタイプと違い、電動工具に取り付け、軸付き砥石のように使用できるので、成形も楽です。
絵のように電動工具に丸棒タイプを付け、砥石を回転させた状態で電着砥石へ押し付けます。
そうするとご覧の通り、先端部分が鉛筆形状になります。
実際にスプライン形状のバリ取りを見ていきましょう。
成形後では、スプライン形状のR溝の隅部まで砥石が届き、バリ取りが可能となります。
＊
当社の祖業である砥石は、「折れない、割れない、欠けない」＋「成形できる」という特徴があり、磨くだけでなく、バリ取りも行うことのできる優れものです。細かい手作業のバリ取りで困った際はご検討ください！
XEBEC マイスターフィニッシュ
https://www.xebec-tech.com/products/mf/
また、途中登場したXEBEC ポータブル回転工具は「バッテリー式」、「ON/OFFフットスイッチ付」で、持ち運びやすさや作業負担軽減という観点からメリットがあります。合わせてご検討ください。
XEBEC ポータブル回転工具
https://www.xebec-tech.com/products/m2p33stx/
