グローバルセールス&マーケティング部の山口です。
今回はXEBECの隠れアイテムをご紹介しようと思います!
XEBECは主に「砥石」「ブラシ」「カッター」などのバリ取り・研磨ツールを販売しているイメージがあるかと思います。
しかし、実はこういったツールの手助けをする「オプションツール」もいろいろとあるのです。
オプションツールを知っていただく機会もなかなかないかと思いますので、ご紹介していけたらと考えています。
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2002年に販売を開始した「XEBECブラシ」は、今まで手作業で取るしかなかったバリ取り工程を、マシニングセンタなどの機内に取り込むことを可能にし、現在世界中の加工現場でバリ取り自動化を実現しています。
XEBECブラシの誕生で、バリ取りを機内に取り込むことに成功し、お客様から多く反響を頂いたわけですが、
一方でこんな声も耳にするようになりました。
「摩耗したブラシの調整が大変!」
そうです。
XEBECブラシは使えば摩耗していきます。
セラミックファイバーを母材としていて、ブラシがどれだけ摩耗しても常に新しい切れ刃が断面に現れることから、砥粒入りのバリ取りツールと違って、常に一定の研削力でバリを取ることが出来るのがXEBECブラシの強みのひとつです。
一方で、ブラシが摩耗した分、ブラシの突き出し量を調整するという作業が発生してしまいます。
数mmの摩耗であればプログラムで摩耗分オフセットしていくことで解決できます。
しかし5㎜程度摩耗(φ15ブラシの場合)したタイミングでブラシをスリーブから突き出す作業が必要になりますが、これはどうしても手作業になってしまいます。
基本的には工具交換のタイミングでブラシの突き出し作業を行ってもらうので、わざわざブラシのために機械を止める必要はありません。
それでも機械を止めた状態で
・ブラシを機械から外す
・長さを図りながらブラシを調整する
・機械にブラシをセットする
この作業をやってもらうのは非常に大変です。
1秒単位でサイクルタイムの改善を行っている現場の皆様にとって、
こういった頻度作業、とくに内段取りの時間は何としても削減していきたい項目だと思います。
こういった現場の皆様の声を聞いて、
なんとかブラシの調整という内段取りの時間を短縮することは出来ないだろうか?
と考えて2013年に誕生したのが「XEBECイージーセッター」というオプションツールです。
https://www.xebec-tech.com/products/xp-ez/
※現在、このブラシの調整作業をマシン内で完結させることが可能な「自動調整スリーブ」もございます。ご興味がございましたら是非ご覧ください。
XEBEC自動調整スリーブ
https://www.xebec-tech.com/products/xp-aut/
イージーセッターを使えば今まで機械から外して行っていたブラシの調整作業を機内で行うことが出来ます。
機内で調整できることに加えて、毎回ブラシ長さを測りながら調整する必要もないので、内段取りの作業時間を短縮することが出来ます。
ブラシの調整作業は人によってどうしても細かいバラつきが出てしまいます。
ジーベックブラシはブラシの突出量が0.1mm変わるだけでバリの取れ具合が変わるため、こういったバラつきは品質を安定させるためにも無くしていく必要があります。
イージーセッターを使えば作業を標準化できるため誰でも素早く、簡単に、正確に作業を行うことが出来ます。
それでは使い方を説明したいと思います。
①調整ノブでブラシ受けを動かし、ブラシ突出量を設定します。
②ブラシ調整ネジを緩めます。
③イージーセッターをブラシにセットし、ブラシをブラシ受けまで降ろします。
④ブラシ調整ネジを締めます。
以上です。
とても簡単ですよね!
①の作業は最初の設定時だけ発生する作業なので、実際は3ステップの作業で調整を行うことが出来ます!
じゃあ実際にXEBECイージーセッターを使うことでどれくらいの時間短縮できるのか?
実際にブラシの調整作業をやってみました!
それではまず、イージーセッターを使わずに、機外でブラシの調整作業をやってみます!
①まず機械からブラシを取り外します。
取り外す時間は機械によって様々ですが、この作業だけでもちょっと手間ですよね。
※今回は簡易ロボットを使用したのでツーリングではなくブラシスリーブから外しています。
②ブラシの調整ネジを緩めます。
③長さを測りながらブラシを調整します。
④ブラシ調整ネジを締めます。
⑤機械にブラシを取り付けます。
さてタイムは…?
30秒!
やはりブラシを機械から取り外すのでそれなりに時間がかかってしまいます。
ブラシの長さを測りながら調整というのも少し面倒でした。
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それでは次にイージーセッターを使わずに、機内でブラシの調整作業をやってみます!
機内でも作業が可能であれば、ブラシ着脱の作業がなくなるので良いですね。
さてタイムは…?
18秒!
かなり短い時間で作業が出来ました!
しかし、
スケールでメモリを見ながら調整するのはとても大変です。
左手にスケール、右手に六角レンチを持っているので細かい調整は手間がかかります。
さらにマシニングセンタだと、切削後のミストが機内に充満していたり、天板からクーラントが垂れていたりしますよね。
そんな機内にスケールのメモリを見るために顔を突っ込むのはつらい作業です。
ブラシの調整作業は繰り返し発生する作業なので、こういった手間は出来るだけなくしていきたいですね。
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それでは、最後にXEBECイージーセッターを使ってトライしてみます。
先程「イージーセッターの使い方」で説明した①~③の3ステップを実際にやってみます。
機械から外さずに調整できるのはやはり楽です。
スケールを見るために顔を近づける必要もなく、細かい調整も必要ないので、
サクッと出来てしまいました!
さて、タイムは…?
14秒!
ブラシをマシンから着脱するときと比べると16秒も短縮することが出来ました!
更に、
・細かい調整は必要がない
・メモリを見るために顔を近づける必要がない
ということで、とてもシンプルな作業でブラシの調整が出来ました。
六角レンチを使い慣れた皆様であればもう少し短い時間で調整できるかもしれませんね。
・作業性向上
・作業の標準化
・作業時間の短縮
このようにXEBECイージーセッターにはたくさんのメリットがあります。
ブラシを使用いただく際は是非、お供としてこのXEBECイージーセッターもご検討いただければ嬉しいです!
XEBECイージーセッター
https://www.xebec-tech.com/products/xp-ez/