2020.03.18 話題の「家事代行サービス」を使ってみた

はじめまして。XEBECマーケティングチームの板橋と申します。
XEBECに関わる方と、より近い距離でコミュニケーションができればと思い、その手掛かりとしてブログを始めてみました。

先日、私は初めて「家事代行サービス」を利用してみました。
トイレやキッチン、お風呂場や洗面台といった水回りの掃除全般を2時間で完璧にこなして頂き、大満足!

気になる費用感ですが、大まかに全部で5,000円程度でした。
1時間で約2,500円なので、1か月に2回、2時間のペースで利用するとすれば10,000円/月 弱度のイメージです。
(※利用頻度によってもっと安くなっていくようです)

さて、この家事代行。少し引いた視点で見てみます。

共働き世帯は年々増えていますので、家事代行の需要は増えていきそうですよね。

 

▼共働き世帯は年々増加している

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html

 

一方で、実際はまだそこまで「家事をアウトソースする」という考え方自体は、まだあまり普及していないように見受けられます。

たとえば、クロスマーケティング社が2019年末に実施した「家事に関する調査」の結果を見ると、「家事代行サービスを利用してみたい」と考えるのは全体の約2割となっています。

 

▼家事代行サービスを「利用してみたい」は全体で19.8%

(家事の負担はどのくらいか。男女1,000人に調査)
https://www.cross-m.co.jp/report/life/hw20191128/

 

なぜ、家事代行はなかなか普及していかないのか。
同調査によると、家事代行を利用したいと思えない理由として、下記2点が主な要因として挙げられています。

 ①「家に人を入れるのが嫌」53.8%
 ②「金額が高い」62%

まずは、私という一人の消費者の気持ちから、これが本当かどうかを語っていきたいと思います。

 

「家に人を入れるのが嫌」53.8%

 

「家に人を入れるのが嫌」。
私の場合、特にこれ、すごく分かります。

というのも、私の場合、家がかなり汚いです。
無論、家が汚いから、家事代行サービスを利用して、綺麗に改善したいと考えています。
しかし、当然ですが、家事代行を利用するためには、掃除をする担当者を家に入れなければなりません。

そこで、私は、どうなったか。
なんと、家事代行の担当者が来る前に、自分で少し掃除を行い、少しだけ汚れをマシな状態にしてしまったのです。(笑)

いわば、「服を買いに行く服がない」ならぬ、「家事代行を呼べる家ではない」的な問題です。「汚い家だと、家事代行を呼ぶのが恥ずかしい。」これって、実は笑い事ではなくて、家事代行に対する「声にならない声」だと勝手に思っています。

 

「金額が高い」62%

 

家事代行を利用しない理由として「金額が高い」は最も多く、62%となっています。

しかし、結論、「家事代行サービス」はそこまで高くないサービスです。
高くないものが高いとまだ誤解されている部分が大きいと思います。

ほとんどの家事代行サービスは「1時間あたりの金額」として料金体系が表示されています。
思うに、多くは、アルバイトの「時給」との比較で想起がされてしまっているのでは?と思いました。
それこそ、アルバイトの「時給」のイメージは、「時給900円!」みたいなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
消費者の気持ちとしては、まず、このような自分の感覚値との比較が瞬時に行われてしまうと思います。

家事を1時間やってもらうことに2,500円。
もし、アルバイトの時給とのイメージ比較が成されてしまえば、多くの人が「高い」と感じても仕方が無い気がします。

補足ですが、最低賃金の全国平均は900円程度のようです。

(最低賃金、東京・神奈川1000円超え 全国平均901円に)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47999990R30C19A7MM0000/

ただ、このアルバイトの時給、最低賃金ベースと比較して「高い!」と言うのは、おかしいと思っています。
なぜなら、家事代行サービスで買っているものは、結局は「自分の時間」だからです。
そうであれば、本来なら「自分の時給」と比較して、高いか、安いかを判断すべきはずです。

どういうことか、具体例をもって分かりやすく説明してみます。

たとえば、日本人の平均年収(441万円)を例にして、大まかに時給を計算してみます。

日本人の平均時給

・441万円を12か月で割ると、367,500円。これが月収です。
・367,500円を20日(出勤日数)で割ると、18,375円。これが日給です。
・18,375円を8時間(1日の労働時間)で割ると、2,297円。これが時給です。

(平均年収441万円: https://clabel.me/incomes/24345

 

自分の1時間の価値(2,297円)よりも、家事代行に頼むことによる支出(2,500円)が上回っている場合であれば「自分で掃除した方が良いのでは?」といった、自分の時間単価と比較する思考の方が、アルバイトや最低賃金のイメージ(900円とか)と比較するより正しそうです。

もし、共働きの家庭が家事代行を利用する際は、同様の考え方で「世帯年収」と比較をすると、半分以上の家庭は家庭の1時間の価値の方が上回ります。
日本全体の平均世帯年収は約560万円なので、同様の考え方で計算すると、その時給は2,917円となり、家事代行の1時間2,500円を上回っています。

 

日本人で「お金よりも時間の方が大事」という人は約10人に1人しかいない

 

しかし、多くの人が「時間を買おう」→「自分の時間単価と比較しよう」といった一連の発想は持たないと思います。
なぜなら、「お金より時間の方が大切」と考える人の母数自体が少ないからです。

下記調査によると、日本人で「お金よりも時間の方が大事」という人は11%。約10人に1人しかいないそうです。

「世界17カ国における15歳以上の消費者2万2000名のインターネットユーザーを対象に、「時間」と「お金」、および「所有」と「体験」のどちらを重視しているのかについての意識調査をおこなった。 」

「その結果、「お金があるより時間がある方が良い」と考えている人の割合が31%に達し、「そう思わない」の9%を大きく上回った。グローバルの消費者が「物質的なお金やモノよりも目に見えない時間や体験を重視している」ことが、顕著に示されたわけだ。」

「ここで日本の場合、お金と時間の比較に関しては、グローバルとはやや異なる傾向がみられた。『お金があるより時間がある方が良い』と考えている人が11%であったのに対し、『そう思わない』12%を占めており、時間とお金が同程度に重視されていることが読み取れるのだ。」

※ 時間とお金の意識調査:https://zuuonline.com/archives/182293 

 

「時間をお金で買いたい」と思う人自体が、日本ではそもそも稀有な存在なのであり、それであれば、先の「時間を買う」という発想をしない人は、かなり多いと考えられそうです。

話を少しまとめます。

家事代行サービスの2,500円/1時間 が高いか?関しては、結局、その当人の時間単価によると思います。
しかし、「時間を買う」という発想をする人自体が少ないため、もしかしたら、本来は買うべき人も「高い!」として受け取られているかもしれません。

時間は買うことは、人生をとても豊かにしてくれるものだと私は思います。
買った時間を自分のために使えば、例えば、睡眠時間を多く取ることができるかもしれません。
もしくは、健康のために運動する時間、未来のために勉強をする時間、大切な人と過ごす時間にも使うことが出来るかもしれません。

また、1日で使える集中力は有限であるため「集中力は消耗する資源」ともいわれています。
時間を買うことでセーブできるのは「自分の時間」のみならず、「集中力」も自分がやるべき大切なことのために取っておくことが出来ます。

「集中力が消耗する資源」である点に関して気になる方は、スタンフォード大学教授のチップ・ハース氏の著書である『スイッチ!』という書籍に記述されています。

そして、これらのことは、私たちの仕事においても、同様なのかもしれません。

たとえば、「現代経営学」の発明者であるピーター・ドラッカーは、成果をあげる者の条件として、こう述べています。

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。
計画からもスタートしない。時間が何に取られているかを明らかにすることからスタートする。」
(ピーター・ドラッカー 『ドラッカー名著集1 経営者の条件』より)

 

企業は、自社内でやらなくてもよい仕事を外にアウトソース、すなわち「時間を買う」ことで、自社で本当にやるべき仕事を行うための時間や集中力をしっかりと確保することができます。

 

私たちは「バリ取り」を自動化するサービスの提供を行っていますが、バリ取りこそ、まさに多くの企業において「自社内でやらなくても良い仕事」のど真ん中では、と思っています。

これらの点、XEBECはよく考えており、会議でも出てくる話題です。

たとえば、私たちが提供する「XEBEC裏バリカッター&パス」は、「交差穴の裏面のバリ取り」を工作機械内で行うための「点群データ」も提供していることがこだわりです。
これにより、お客様側での「バリ取りの点群データ作成」の作業を無くすことができます。
特に、交差穴の裏側のエッジ形状は、ポテトチップスのような形であるため、これの点群データ作成は意外と面倒な作業です。
場合によっては、これよりもっと複雑な形状になることもかなり多いです。

多くの企業では、こういった形状のバリ取り点群データを自社内で作成すると、多くの時間と集中力を消耗すると思います。
しかし、多くの時間や集中力を、バリ取りの点群データの作成に割いているようであれば、そのエネルギーはもっと他の自社でやるべきことに集中して頂くべきだと思います。

繰り返しにはなりますが、時間は、買うことで人生をとても豊かにしてくれるものだと思っています。
XEBECの社是は、Enjoy Life, Enjoy working with XEBEC.
だからこそ「時間を買う」という発想を持つ製品・サービスが生まれていると思います。
そして、それをより良い形で提供しようと、日々工夫を続けているところです。

このブログでは製品カタログではなかなかお伝えできない、XEBECの考えの部分であったり、カタログに記載するまでには至らないけどお伝えしたいことなどを随時発信できればと思っています。

引き続き、ブログもどうぞよろしくお願いいたします。

 

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