株式会社ジーベックテクノロジーです。
弊社は、砥粒ではなく独自のセラミックファイバーを研磨材に使用したバリ取り・研磨用のブラシ「XEBECブラシ」を提供しているメーカーです。
ここでは「中ぐり加工とは?」という基本的な内容から、用いられる工作機械や注意点まで詳しく解説します。
中ぐり加工とは、ドリルなどを用いて開けた穴に対して、さらに穴径を広げていく加工のことです。
ドリルなどを用いて穴を開けるにあたっては、以下のような課題が残ります。
• 加工精度に限界がある
• 大きい穴は開けられない
そこで、「ボーリングバー」と呼ばれる専用の刃物を穴の内面に押し当て、目的とする寸法・精度となるまで削っていきます。
中ぐり加工には、以下のような専用の工作機械が用いられます。
• 横中ぐり盤
• 立中ぐり盤
• ジグ中ぐり盤
• NC中ぐり盤
それぞれの特徴について見ていきましょう。
横中ぐり盤は、刃物の回転軸が水平方向に設置されています。
構造上、発生した切屑を排出しやすいのが特徴です。中〜小サイズの工作物に対して用いることが多く、中ぐりに用いられる工作機械としては最もポピュラーです。
立中ぐり盤は、刃物の回転軸が垂直方向に設置されています。
主軸が上を向くためたわみが生じづらく、加工精度が高いのが特徴です。大型の工作物に対して用いることが多く、大きな穴や深い穴に対しても適用できます。
ジグ中ぐり盤は、高精度での中ぐりに特化した工作機械です。
光学センサーが搭載されており、細かな位置決めが行えます。
元々はその名の通り治具(部品や工具の固定・位置決めを行う補助具)の加工に用いられていましたが、近年は治具の加工以外にも汎用的に用いられています。
NC中ぐり盤は、数値制御に対応した中ぐり盤です。
あらかじめプログラムをインプットしておくことで、中ぐり作業の自動化が実現します。
3.中ぐり加工に用いられるその他の工作機械
中ぐり加工は、以下のような汎用的な工作機械でも実施できます。
• マシニングセンタ
• フライス盤
• ボール盤
• 汎用旋盤
• NC旋盤
ただし上記のような汎用的な工作機械は、加工できる径や精度に限界があります。大きな工作物を加工したいときや加工精度を高めたいときは、専用の中ぐり盤を用いるのが一般的です。
中ぐり加工を実施する際は、以下の点に注意する必要があります。
• 加工面の目視が難しい
• 切屑が排出しにくい
• ビビりが発生しやすい
それぞれ対策方法とともに解説していきます。
中ぐり加工は内面を加工するという都合上、加工面の目視が難しいのがデメリットです。
見えないところで干渉が起こったり意図せぬ加工が行われたりしても、すぐに気づけない恐れがあります。
対策としては、加工中の異常を感知できるモニタリングシステムの導入が有効です。
目視できない加工面を間接的に監視することで、意図せぬトラブルを防げます。
中ぐり加工を行なっていると、内部に切屑が発生します。
中ぐり盤の構造上、切屑の排出が難しく、そのまま加工を続けると加工精度の悪化や工具の劣化につながる恐れがあります。
対策としては、工具を穴から引き抜く際、一緒に切屑を排出できるようなパスを設定するのが有効です。
もしくは刃先からクーラント(冷却水)を排出するシステムを採用し、加工と同時に切屑を排出するのも良いでしょう。
中ぐり加工は刃物の突き出し量が大きいため、ビビり(断続的な振動)が発生しやすいのもデメリットです。
ビビりが生じた状態で加工を続けると、加工精度の悪化や工具の劣化につながる恐れがあります。
ビビりを抑制するには、切り込み量・回転数・送り速度などの切削条件を調整する必要があります。
もしくは、刃物の種類や角度の変更で対策しても良いでしょう。
中ぐり加工とは、ドリルなどを用いて開けた穴に対して、さらに穴径を広げていく加工のことです。
ドリルでは開けられない大きな穴径まで広げたり、穴の精度を向上させたりする目的があります。
ただし中ぐり加工には、加工面の目視が難しい、切屑が排出しにくいなどの注意点もあります。
また中ぐり加工が行える工作機械は複数種類あるため、目的に応じた選定が大切です。
中ぐり加工後のバリ取りに関してご相談がある場合はぜひご相談ください。
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